第45回(平成26年4月22日)
直江津港(上越市)
1.はじめに
直江津港は、日本海沿岸の中央部にあり、新潟港と伏木富山港のほぼ中央に位置しています。長野県境を水源とする1級河川、関川の河口に隣接しており、トキの住む観光地佐渡島を日本海上に望み、背後は上信越高原国立公園である妙高高原地帯に続き長野県に通じています。
今回、直江津港の過去から現在までの整備・改修の歴史を紹介します。
2.直江津港の沿革
直江津港は、奈良時代から越後国府の要港として栄えていました。
ことに、戦国時代の武将上杉謙信が春日山城に居城していた頃には人口6万人を数え京都に次ぐ大都市の港として、米、塩鮭、越後上布等を特産として京阪神地方及び遠くは九州、北海道の諸港と交易が行われていました。
明治時代に入り、新潟、小木への定期航路や神戸から小樽までの日本海定期航路の寄港地として賑わい、また、直江津を起点とする信越線が長野方面へ開通、中部日本に達する唯一のルートとなったことから、大正時代にかけて長野方面への物資の流通が盛んになるとともに港の背後地には工場の進出も進みました。
昭和26年には港湾法に基づく重要港湾に指定され、昭和35年の河口分離によって港勢は著しく活発となり、その後も日本海側で2番目に5万トン級岸壁が作られるなど着実に整備が進みました。
平成8年には、外貿貨物も韓国や中国とのコンテナ航路が順調に伸び、年間の総取扱貨物量が、初めて1,000万トンに達しました。
その後、大型公共ふ頭の整備とLNG火力発電所の立地を中心とする「直江津港港湾計画」に基づき、荒浜ふ頭において平成11年から本格的な埋め立て工事を実施し、平成16年11月火力発電所用地が完成、平成19年5月には国内最大級のLNG火力発電所の建設が着工され、平成24年7月より営業運転が開始されています。
また、火力発電所に隣接して平成21年にはLNG受入基地建設が起工され、平成25年12月から操業を開始しており、エネルギー港湾として更なる発展が期待されています。
3.写真で見る直江津港の変遷
【昭和21年】(1946年) *昭和13年頃には、河口港としての形を整えていました。
【昭和37年】(1962年) *関川と分離した港の整備が昭和35年から進められました。
【昭和42年】(1967年) *西防波堤と南ふ頭を建設中です。
【昭和59年】(1984年) *中央ふ頭完成後、東ふ頭を拡張中です。
【平成16年】(2004年)*沖防波堤の建設と荒浜ふ頭埋立が進行中です。
【平成25年】(2013年) *平成25年現在の直江津港の状況です。
4.直江津港の構造物
沖防波堤(後部パラペット型スポットリーフ複合堤)
堤体前壁部と後部パラペットとの間に作用する波圧に時間差が生じることから、
堤体幅を縮小することができます。
荒浜ふ頭護岸( ハイブリッドケーソン)
鋼材と鉄筋コンクリートの一体構造で経済性・施工性に優れたケーソン。
アクセス
自動車の利用:北陸自動車道 上越I.Cから約10分
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