第18回(平成22年3月15日)
浸水被害をなくすため活躍する新潟市の雨水ポンプ場
白山公園・関新・小新の3ポンプ場(新潟市)
海抜ゼロメートル地帯を浸水被害から守るために
新潟市は,信濃川が運んできた土砂が堆積し形成されたほぼ平坦な地形で,海抜0mの低地を多く抱えています。近年の高度成長に伴う急激な都市化などによって雨水流出量が増大し,浸水被害が多発するようになっています。
昭和59年7月16日には,時間降雨52mmの集中豪雨により,市内全域で床上・床下浸水あわせ3,726戸という大きな被害をだしました。なかでも信濃川河口部の船見処理区に被害が集中して,床上浸水484戸,床下浸水1,354戸の被害がでています。
このため新潟市では,平成3年度に「雨水排除改善事業」として,10年確率降雨強度45.9mmに増強する新たな雨水計画の事業認可を受け,「浸水に強い都市を作る」雨水改善ポンプ場を建設することになりました。
平成6年度に白山公園ポンプ場の建設に着手し,平成10年度に供用開始。平成12年度には関新ポンプ場の建設に着手し,平成16年度に供用開始しています。
頼もしい排水施設群
平成10年8月4日の時間降雨97mmを記録した未曾有の集中豪雨は,またも市内全域に大きな浸水被害をもたらしました。
それにもかかわらず,白山公園ポンプ場が稼働していた船見処理区の浸水被害は,前述の昭和59年7月より,床上浸水被害が約6割も減りその整備効果を発揮します。一方,雨水排除改善事業が進んでいなかった坂井輪排水区の大堀幹線沿いでは,床上・床下浸水被害が約1,300戸でています。
このため国・新潟県・新潟市の3者は,一体となり浸水被害防止のための対策事業を行うことになりました。国は西川排水機場の増強,新潟県は西川堤防の嵩上げ,新潟市は平成3年度策定の「雨水排除改善事業」を見直し,新10年確率降雨強度49.9mmに増強した新たな雨水計画の事業認可を受け,小新ポンプ場を建設します。
小新ポンプ場は平成12年度に建設に着手,平成17年度に供用開始しています。
これらの雨水排水ポンプ場の建設により,浸水常襲地帯の危険性は大きく軽減され,市民生活や経済活動が支えられています。
なお,これらポンプ場は,ポンプ管理センターにおいて集中管理される,無人ポンプ場となっています。
アクセス
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