第3回(平成21年11月4日)

県内初の本格的公共マリーナ 柏崎マリーナ(柏崎市)

 新潟県「柏崎マリーナ」は、柏崎市にある「東の輪海水浴場」と「鯨波海水浴場」にはさまれた磯部の一角にあり、夏の海水浴シーズンには新潟県内でもっともにぎわう地域の一つです。「柏崎マリーナ」は県内初の本格的公共マリーナとして平成2年7月1日にオープンしました。

マリーナ整備の目的

空から見た柏崎海岸  昭和40年代後半から、市民生活の向上と余暇時間の増大に伴い、海洋レクリエーション施設としてのマリーナの整備が要望されました。また、当時の柏崎港は、港内にプレジャーボートが保管され、船の入出港の際に一般の貨物船と輻輳する状況であり、事故の発生が懸念されていました。
 昭和56年に海洋性レクリエーションのニーズに応えると共に、港内の船舶航行の安全性の向上を図るため、新潟県と柏崎市を中心とした「柏崎マリーナ対策検討会」が設立され、昭和57年11月に行われた第17回新潟県地方港湾審議会において柏崎港港湾計画が変更(一部変更)され、「柏崎マリーナ」の整備計画が盛り込まれました。

工事の状況

ケーソン設置工事の風景  工事は昭和57年に着工し、平成2年度までに防波堤、波除堤、桟橋、管理棟等や鯨波海水浴場からマリーナへ抜ける御野立トンネルを含めた基本的な施設が概成しました。
 防波堤の構造は水深の浅い区間は水中コンクリート工法、深い区間はケーソン工法(ケーソン:鋼製または鉄筋コンクリート製の箱)を採用しました。ケーソンは施工業者が製作したマリーナ工事専用のフローティングドック(FD)により製作しました。港内の静穏を確保する波除堤やプレジャーボートを係留する桟橋は施工性を考慮し、プレキャスト工法を採用しています。また、修理工場や給油所については、民間活力を導入し、(株)柏崎マリン開発によって整備が行われました。
 現在は、港内の静穏の確保と堆砂防止を目的として、防波堤(沖)と防砂堤の整備を進めています。
桟橋工事の風景 柏崎マリーナの全景

中越沖地震での被災状況

中越沖地震による被災

 平成19年7月16日に発生した中越沖地震により、柏崎マリーナも物揚場エプロンが20pも沈下するなど大きな被害を受けましたが、平成20年6月までに災害復旧工事を終えました。

マリーナの活用

 現在は,指定管理者制度により(株)柏崎マリン開発が管理運営を行っています。
 柏崎マリーナでは応急手当講習会、ライフジャケット着用促進イベント、釣り大会、マリーナフェスティバル(会員)、みなとまち海浜公園と連携した柏崎マリンスポーツフェスタでの体験乗船といったイベントも行っており、海洋レジャーを通じた啓発活動や地域交流を積極的に行っています。
 平成20年2月には、マリンレジャーに興味がある方が、いつでも、誰でも、気軽に利用できる海洋レジャー拠点「海の駅」(かしわざき 海の駅)に北陸・信越地方で初めて登録されました。今後のさらなる活発な海交流が期待されます。
日本ぐるっと一周海航海 本州西ルート 体験乗船の様子

参考文献

  • 新潟県柏崎マリーナ 公式HP:
       http://www.kashiwazaki-marine.jp/

    基本データ

  • 指定管理者: (株)柏崎マリン開発
  • 収容隻数
      海上係留58隻 陸上保管166隻  計224隻
  • 面 積:  レクリエーション施設用地 1.7 ha
            泊地(-3.0,-2.5m)   3.3 ha
  • 開 港: 平成2(1990)年
  • 事業費: 70億円

    アクセス

  • 新潟県柏崎市東の輪町
  • JR信越本線・鯨波駅より 徒歩約8分(L=0.6km)

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