妙高市にある「万内川砂防堰堤群・日影沢床固工群」が、平成29年度の「土木学会選奨土木遺産」に認定されました。
万内川砂防堰堤群・日影沢床固工群のある万内川は、明治35年に発生した粟立山の大崩壊による土砂災害から妙高市西野谷地区とその下流域を守るため、大正10年に県下初の砂防事業が着手されたことから、「新潟県砂防発祥の地」とされています。
万内川砂防堰堤群は、当時砂防における画期的な技術革新であったコンクリートを用いた重力式粗石コンクリート造や現地産の石を空積みした重力式石造といった構造をなした堰堤から構成されており、大正10年からこれまでに築造された全30基の堰堤のうち11基が平成15年3月に登録有形文化財に登録されました。
日影沢床固工群は、わずか1.2kmの急峻な渓流に47基もの石造床固工群(小さなダム群)が設置されており、支流のクズレ沢には非常に珍しい石張りの斜路工が残されています。クズレ沢斜路工とあわせて3箇所の床固工が平成15年7月に登録有形文化財に登録されました。
これらは、築造から90年以上を経過した今でも、建設当時の外観・構造を有したまま現在も砂防施設としての防災機能を有しています。
なお、11月20日の「土木の日」記念講演会において認定書の伝達式を行う予定です。
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